本部御殿手の歩み
上原清吉先生の武歴は長く、戦後だけでも昭和25(1950)年から平成16(2004)年に亡くなられるまで、50年以上にわたって指導をされました。その間、本部御殿手は秘伝武術ということで、弟子は選んでとり、また教授する技も宗家継承者向け、高弟向け、一般門弟向けと分けて教え、さらに弟子の体格、性格、年齢等に応じて教授内容、方法も変えて指導されていました。
平成19(2007)年から2年間にわたって、本部御殿手の歩みの詳細な記録を後世に残すために、本部御殿手古武術協会として、初期の門弟の方々を中心に網羅的な聴き取り調査を実施しました。
ここで語られている内容は、本部御殿手のみならず、戦後沖縄空手がどのように歩んできたかを後世に伝える貴重な証言を数多く含んでいます。聴き取り調査に協力していただいた方の中には、すでに鬼籍に入られた方もいらっしゃいます。調査に御協力していただき、改めてこの場をお借りして御礼申し上げます。